恒例の土曜日RUN/2017.09.09

恒例の土曜日RUN。
比較的暑い気候が戻って来て、ちょっとホッとしている。
ただ、あの寒さの後なので、体調の変化に気を配らざるを得ないけれども。

走りながら、昨日叱ってしまったレッスン生の事を考えた。
私は、この風貌とは裏腹に(笑)、レッスン生を叱りつける事は、余程の事がない限りしない。
けれども、レッスン生の今後のために良くない、と判断した時は、それこそ容赦なく叱りつける事にしている。

特に叱りつけるのは、根本的な礼節を怠った時だ。
表面上の儀礼ではなく、人として最低限守らねばならない根本的な礼節。
好きな事をやって生きていく以上、これを失ったら、ますます社会から逸脱して行く様に思うからだ。

私のレッスンスタジオは、私の家の中にあり、母が遺した旧レッスン室を、レッスン生への更衣室として提供している。
レッスンに筋力トレーニングを取り入れているため、場合によっては着替えが必要になるのだ。
更衣室に入る時間に特に制限は設けていないけれども、そこはレッスン生の常識判断に任せていた。

昨日、二人目のレッスン生がレッスンを終え、更衣室に入ったのだけれども、すぐに出て来て怪訝な表情でこう言った。
「先生、ソファーで誰かが寝ています」。
え?と不思議に思って、更衣室に入ってみると、何と三時間後にレッスン予定のレッスン生である。
某劇団のメンバーである彼は、ソファーでだらしなく、大きな口を開けて寝ていた。

実は、レッスンスタジオが完全防音に近くて玄関チャイムが聞こえないため、レッスン中は玄関から更衣室の出入りは自由に出来る。
その状態でも、今までそんな事をするレッスン生は、そう多くはなかったため、特に策を講じる事もなかった。
また、思いがけず早く着いてしまったレッスン生には、事前に許可を得る事が条件だけれども、早めの滞在を許す事もある。

ただ今回、そのレッスン生からは何のことわりもなく、いわば不法侵入である。
それに加えて、ソファーを占拠して、だらしなく寝ていた事が、私に叱りつける事を決心させた。
私は、彼を揺り起こして、珍しく厳しい調子で叱った。

「君、ここはレッスンスタジオであると同時に、他人のうちでもある。
そこにこんなに早く黙って入り込んで、挙げ句の果てにみんなが使う更衣室で寝込んでいるなんて、常識はずれも甚だしい!」
「…、あの、稽古場では早く入って、寝ていても大丈夫だったので…」

寝起きだったせいか、彼は理解が殊の外遅かった。
「とにかく今日は帰って良く考えて出直して来なさい。
ここは、きちんと生きている人間の来るところだ」、と言って、まだ寝ぼけている彼を文字通りつまみ出した。

数時間後、彼は完全に覚醒して、恐ろしくなったのだろうか、電話をかけて来て、平謝りに詫びていた。
昨夜友人とオールしてしまい寝不足だったので、一旦帰宅して家で寝てしまうと絶対にレッスンを寝過ごしてしまうと思い、更衣室で寝ていた、と言う。
真面目なんだか不真面目なんだか(笑)、とにかくレッスンを大切にしてくれている事だけは分かった(笑)。

まぁ、表現技術も大切だけれども、こう言う人間としての礼節が備わらない限り、そのうちに独りよがりのパフォーマンスに終始してしまう様になるだろう。

少なくとも、この出来事が彼のためになれば、と思う。