恒例の火曜日RUN/2018.08.14

恒例の火曜日RUN。
もう少し経つと暑さも落ち着くのだろうか、空気からそんな匂いを感じる。
写真は、昨夜撮影した月見草、こんな風に咲いているのかと、初めて知った次第。

「お気に召すまま」で私が演じる役、エイミアンズ(Amiens、訳者によってはアミアンズ)は、歌う貴族だ。
何故またこんな人物が登場するのか、と歴史を紐解いてみると、どうやら吟遊詩人をルーツとして、それが北フランスに伝播したトルヴェール(Trouvère)と言う人々がいたらしい。
彼らは、自ら貴族でありながら、貴族階級の音楽の担い手になって、貴族のために創作や演奏を行い、伝統ある宮廷文化の一環を担っていた。

この物語の舞台はアーデンの森、これの基となったのは、現在のフランスとベルギーの国境付近のアルデンヌと言われている。
そして北フランスには、何と「アミアン(綴りは役名と同じAmiens)」と言う地名がある。
この事からも、エイミアンズが先述の通りトルヴェールであった可能性は大きい。

では、何故シェイクスピアは、この物語に歌う人物を登場させたのだろうか。
これについては諸説あるけれども、私はやはり、当時のシェイクスピアの一座の中に、歌える俳優がいたからではないか、と想像している。
そうでなければ、わざわざ何曲もエイミアンズが歌う場面を作るだろうか、と思うのだ。

記録を辿ると、この作品が上演された頃(1599年頃と言われている)に、ロバート・アーミンと言う俳優が一座に加わっている。
一説によると、このロバート・アーミンは美声で歌が上手かったとの事。
後年シェイクスピアが「十二夜」で、このロバート・アーミン演じるフェステに歌わせているのも頷ける話だ。

シェイクスピアが、エイミアンズと言う役名を思い付いたのは、このロバート・アーミンの「アーミン」と、地名の「アミアン」からではないか、と想像すると、何となく劇作の模様が垣間見えて来て面白い。
アミアンは、水上庭園や、1981年に世界遺産に登録されたアミアンのノートルダム大聖堂で有名な土地である。
また、私が少年の頃、胸ときめかせながら読んだ「海底二万里」の作者、ジュール・ヴェルヌの生地だ。

直接ストーリーに関係ないけれども、この様な事が分かって来ると、劇中でいきなり歌い出す(笑)違和感もなくなり、心底楽しんで歌える。

残念ながら、フランスは素通りした事しかないので、このアミアンも、いつか訪れてみたいものだ。