恒例の火曜日RUN/2018.10.23

恒例の火曜日RUN。
急に冷え込んで来て、おまけにスタートしてから雨まで降って来て、一旦家に戻ってウィンド・ブレイカーを来て、再び出発。
昨日から休養モードに入っており、筋力トレーニングの類は一切休止しているけれども、このRUNだけはついついやってしまう。

去る6月24日の「オペラ遊び語り」顔合わせでスタートした、三作品同時進行は、先月の「お気に召すまま」を経て、一昨日の「ヴェニスの商人」で無事終了した。
この三作品で、私は声楽家としての自負を取り戻し、俳優としての自覚を新たに得て、これからの生き方の大きな指針を示して頂いた気がする。
更に、私にとってこの三作品は、表現活動の更なる再生を促進してくれるものに違いないと思った。

三作品のうち、二作品を率いたパートナーの苦労は、それはそれは大変なものだったと思う。
制作・脚本・演出・出演を一人でこなすと言うのは、中々出来ることではないし、ましてや出来たとしても、それをやる勇気を持つ人は希少だろう。
それに、リーダーと言うものは、時にとやかくあれこれ言われ、常にそれと対峙しながら、自分のパフォーマンスのクオリティをも保たねばならないのだから。

そんな中で、恥ずかしながら私に何度か声の故障の兆候が現れ、「ハムレット」の時と同様、友人の鍼灸師・酒井浩江師に急場を救って頂いた。
この場をお借りして、心より感謝申し上げたい。
声をここまで保って来られたのは、あなたのお陰です。

そして、レッスン生の本野斗志輝・草野菜奈両名も、スタッフとして、また助演者として本当に良くやってくれた。
本野は、当初は私が二役やる事になっていたモロッコ王役を、私をシャイロックに集中させるために急遽引き受けてくれ、お客様を楽しませてくれた。
草野も、「窓枠」と言う難役(笑)を巧みに演じ、この作品の楽しさの一端を見事に担っていた。

「シンデレラ」で魔法使い役の笠井麻里子ちゃん、制作だった斉木弘美さんにも随分とお世話になった。
こうして、人との縁が続いて行くのは、自分の心が温まると同時に、デトックスにもなりそうで嬉しいものだ。
こうした、心から助力してくださる方々のお陰で、私たち表現者は成り立っている。

新たな収穫として、やはり「シンデレラ」からの付き合いで、「オペラ遊び語り」でもご一緒した、バリトン歌手・土橋創さんの存在がある。
中々の芸達者で、ご本人も愛されるキャラクター、これからどんどん表に出て行って頂きたい方である。
コミカルな役どころなら、音域も広く持っていらっしゃるので、何でもこなせるのではないだろうか。

もう一つの収穫は、珍しいメゾ・ソプラノとのデュエット部分があった事だ。
フィナーレの一部に、やはり「オペラ遊び語り」でもご一緒したメゾ・ソプラノ歌手・渡邉智美さん演じる、シャイロックの娘ジェシカとの一節があった。
実は、メゾ・ソプラノとの重唱はほぼ初めての経験、智美さんの声の素晴らしさもあって、最早癖になりそうである(笑)。

終演後、パートナーやスタッフたちと劇場に残り片付けを終えて、ふと夕景を見た。

「綺麗だ」と思えるうちは、自分はまだまだ大丈夫なのだろう、そう思った。