恒例の土曜日RUN/2018.11.03

恒例の土曜日RUN。
着実に秋が忍び寄っているのをそこかしこに感じる様になった。
紅が染み渡る前の紅葉の葉や、実った柿と青空の色合いなど。

パートナーの主演作である、フランス現代劇「私は太田、広島の川」の初日を観て来た。
アメリカがマンハッタン計画により、広島に原爆を投下するに到るまでを、当時の広島に於ける庶民の生活と、アメリカ大統領執務室でのヴァネヴァー・ブッシュ(マンハッタン計画を含む戦時中の科学研究の調整・制御役)と二代に渡る大統領(フランクリン・ルーズヴェルト、ハリー・トルーマン)との会話を交互に織り交ぜながら浮き彫りにしたストーリー。
原爆投下によって川の水が沸騰して死の川となったかに見えた太田川はラストで蘇り、我々に平和を呼びかけるのだ。

パートナーが演じたのは、広島の大自然の象徴、人々の心のよりどころである太田川。
イギリスのロンドン大学や王立演劇学校・RADAで学んだだけあって、さながらロンドンの劇場にいる様な錯覚を覚える。
その台詞運びや身体の動き等、流石の一言に尽きる。

他にも、何度か共演させてもらっている坂本岳大君の台詞のトーンが耳に心地良い。
低音の俳優は数少なくなっているので、是非これからも活躍して欲しい。
実は、三年前にも同じ作品で同役を演じているのを観ているけれども、今回更なる円熟味を感じた。

更に、光栄にも同じ学校で教えさせて頂いている伊沢弘(フランクリン・ルーズヴェルト役)さんの演技に、深い感銘を受けた。
また、高名は予々存じ上げていた作曲家の北爪道夫先生にもお会い出来た。
原作者のジャン・ポール・アレーグル御夫妻には、声を褒めて頂いた(笑)。

会場のシアターグリーン・BIG TREE THEATERは、前回観たシアターX(カイ)よりも、音響的にかなりデッドである。
残響が一切ない分舞台上の俳優は不安になるだろうけれども、客席には却って言葉が明瞭に届く。
また、客席の傾斜がかなりあるので、ストレスなくステージを観る事が出来る。

舞台には、奥に川を象徴すると思しき大きな垂れ幕がある他は、セット的なものは特になく、白いボックスがいくつか置いてあるだけ。
それが岩になったり、執務室の机になったり、色々な役目を持っていた。
無駄を排した効果的な構成舞台ではあったけれども、欲を言えば大統領執務室での場面にもう一工夫欲しい気がした。

それにしても、今年は我々にとって、当たり年とも言うべき多忙な一年になった。

来年も、より充実出来る様、トレーニングにも熱が入っている。