恒例の土曜日RUN/2019.04.13

恒例の土曜日RUN。
来る7月5日に行われる「シェイクスピア遊び語り第15弾 今あなたに知ってほしいシェイクスピア」のヴィジュアルが一部完成し、公開された。
今回使用した絵画は、Sir John Gilbert (British, 1817–1897)作のThe Plays of William Shakespeare(1849)、一箇所遊びを加えておいたので、是非お探しを。

良く受ける質問に「演技する上で、筋肉を付けすぎると邪魔になる、と聞いたのですが…」と言うのがある。
実はこれは、演技に止まらず、発声その他に於いても長きに渡って言われ続けている事である…但し、日本だけで。
勿論、筋肉を付けただけではダメで、その筋肉をきちんと使ってやり、機能を持たせる事が必須条件である。

私は日本では演劇教育を殆ど受けておらず、現在の演技スキルは、主にヨーロッパで習得したものに基づいている。
その中に「弱い力まで表現出来て初めて演技と言える」と言うのがあり、それをそのまま受け取ると、筋肉はあまり必要ではないかの様に思えてしまう。
けれども、それには続きがあって、「但し、演技力=再現力であり、わざわざ再現するためには、それなりの筋肉のストックが必要である」とある。

もしも、筋力の弱い人が「弱い力」を表現しようとすれば、更に弱い、最早死にそうなくらいの弱さになってしまう事が多い。
筋肉の多い人でも繊細な作業が得意な人もいるし、その筋肉が機能を備えていれば、限りなく弱い力も出せるのだ。
それを知らずに、「筋肉を付けすぎると云々」と、筋力トレーニングを避けるための口実にしている人は、実は結構沢山いらっしゃるのである。

これは研究によってある程度まで分かっている事であるけれども、人間は「わざわざ」何かをする事に苦痛を感じるものらしい。
演技をする事(人前で何かを表現する事と言っても良いかもしれない)も、人間の感情表現や行動表現を、役柄と台詞に合わせて「わざわざ」再現する事になる。
これは、身体的にも中々に苦痛をもたらす行為で、それを長時間行うには、再現している自分を操るために、かなりの筋肉が必要なのである。

今、様々な演技メソッドのワークショップが開かれているけれども、たまに見学すると、参加者の方々の身体的スペックが非常に気になる様になった。
残念ながら大抵の方が、そのメソッドを十分に活かせる身体的スペックを備えていらっしゃらない。
勿論、知識は広がるし、刺激も受けるだろうけれども、肝心の自分自身に落とし込み、実践するだけのツールがない事になる。

私も7月に向けて身体を作っている最中だけれども、トレーニングする事で、作品へのアプローチが既に始まったと感じている。

そして、お越しの皆様に、良い身体のシルエットでお目にかかりたく、今日も励むのであった。