嚥下障害と暮らす

嚥下障害ってご存知ですか?


嚥下(えんげ)というのは、
口の中で食べ物を噛むことによって飲み込みやすくし、
食道から胃へ送り込むことです。

嚥下障害とは、食べたものや飲んだものが、
うまく飲み込めなくなる状態のことです。

この障害に気づいたのは回復してすぐ、
流動食から固形物に変わった時でした。
飲み込むうとしたものの、まったく飲み込めず、
しまいにはむせてしまう苦しさでした。

医師によると、恐らくは頭やからだを強く打った時に、
嚥下に関わる神経が麻痺してしまったのだろう、という事でした。

それからは、食事のたびにまったく飲み込めないか、
苦しんだ末に偶然飲み込めるか、のどちらかでした。

そんな事をくり返しているうちに、食事をすることが怖くなり、
人と食事をすることも怖くなりました。
飲み込めずに苦しんでいる様子を、見せたくないと言う思いからです。

ここ数年、それが変わりつつあります。
長いあいだ試行錯誤したおかげで、
多めの水で飲みくだせることがわかりました。
多めの水を飲んで、鎖骨の下あたりを押すと、
神経が刺激されて、飲みくだせることが多くなったのです。

さらに最近は、水を飲まなくとも飲み下せることが、
少しずつではありますが、増えて来ました。
長いあいだ、この障害に苦しんできた私にも、
明るい光が差してきたのです。

「以前のように、なんの苦労もなく飲み込める日がきっと来る」

そんなふうに信じて毎日を送っています。